小山薫堂氏の心に響く言葉より…
僕が携わった『ニューデザインパラダイス』というテレビ番組があります。
この番組は、「普段、僕たちが日常生活の中で何気なく目にしているモノの中には、デザインを変えたらもっとよくなるモノがあるのではないか」という発想がコンセプトになっています。
たとえば、ゴミ箱、トイレットペーパー、醤油さし、ビール瓶、紅茶のティーバッグ、紙おむつ、ハサミ…。
これらのモノはなぜこの形をしているのか、もっといいデザインにできないかという視点で、プロのデザイナーにもう一度デザインし直してもらうという番組でした。
この、新しくデザインするモノを見つける作業がすごく楽しかった。
ゴミ箱やトイレットペーパーなどの日常品は、誰でもほとんど同じモノを同じような数だけ目にしているので、材料を見つけるチャンスは、誰もが平等に持っているはずです。
でも打ち合わせをしていると、「これを新しくデザインしたらどうだろう」「あれはどうだろう」と次から次へとアイデアが浮かぶ人と、浮かばない人がいます。
横断歩道を見てもなんとも思わない人と、横断歩道を見たときに「あ、この横断歩道の仕組みって面白いな、ワクワクするな」と思う人がいるわけです。
企画とは、「普通」の中に面白さを見つけるということでもあります。
どれだけ当たり前のものに引っ掛かるか、クエスチョンを抱くかという練習は、企画構想学科のカリキュラムの一つにしようと思っています。
『もったいない主義』幻冬舎新書
「おもしろきこともなき世をおもしろく」とは、あまりにも有名な幕末の異才、高杉晋作の辞世の句だ。
病床の晋作は、そこまで詠んだが息が切れてしまった。
傍らにいた野村望東尼が続けて、「すみなすものはこころなりけり」と詠むと、晋作は、「それでよい」というように頷き、「面白いのう」と言って亡くなったという。
普段の生活で、面白いことはそうそう起こるものではない。
毎日が、「普通」の連続だ。
だが、その普通の中に、面白さを見つけ、大騒ぎして、喜べる人が、人生を楽しめる人だ。
些細(ささい)なことにどれだけ、「意味を見つけることができるか」、「気づくことができるか」、ということでもある。
「普通」を楽しめる感性豊かな人…
どんなものを見ても、「面白いのう」としみじみ言える人でありたい。
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