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「顧客の立場」で考える

 ←自分が変われば、現実が変わる →最高ですね!
鈴木敏文氏の心に響く言葉より…


いままでの仕事のやり方を根本から変えていこうとするとき、ぬぐいさらなければならないのは、私たちが普段、「常識」と思い込んでいる既存の固定観念です。

世の中の仕組みが目まぐるしく変化しているいま、一般的に「常識」とされていることをあらためて問い直してみると、必ずしもそれが正しいとはかぎらず、「真実」は別のところにあると気づくことが数多くあります。


たとえば、顧客第一主義とか、顧客満足度経営を唱える企業の多くは、社員に対しても何事も「顧客のために」を考えて仕事をするように求めています。

でも、「顧客のために」と考えれば考えるほど、逆に顧客の真実から離れてしまうように見えます。

重要なのは、「顧客のために」と考えるのではなく、「顧客の立場」で考えることです。


一見同じように見えて、意味合いは大きく異なります。

私たちが「顧客のために」と考えるときは、たいていの場合、自分の過去の経験をもとに、「顧客はこんなものを求めているはずだ」「顧客とはこういうものだ」という売り手からの思い込みや決めつけがあります。

「顧客の立場」に立つことで、売り手側の常識・非常識の概念を否定する。

視点を変えれば挑戦する価値が見える、とはまさにこのことです。


「顧客のために」と考える発想のもう一つの問題点は、「顧客のために」といいながら、自分たちのできる範囲や、いまある制度や仕組みの範囲内で考えたり、行なっているにすぎないケースが多いことです。

例えばパンも、大手製パンメーカーのナショナルブランド商品は全国の限られた拠点の工場で大量生産され、全国津々浦々のパン販売店まで配送されます。

これを、「顧客の立場」で考えたら、味や鮮度の面でも優れた焼きたてのパンを買えることを、顧客は心から望むでしょう。

このニーズに応えるためには、専用の製造工場をできるだけ店舗の近くに設置する必要があり、製造から配送まですべてをゼロから組み直さなければなりません。

独自の技術を持っているパンメーカーを探し、大手商社、大手食品メーカー、各地の地元食品メーカーの協力を仰ぎながら、専用工場を各地につくり、「焼きたて直送便」の販売を順次全国展開していったのです。

いまやセブン・イレブンの収益を支える商品の一つになっています。


売り手にとって都合のよいことは、買い手にとっては不都合なことが多く、買い手にとって都合のよいことは、売り手にとって不都合なことが多い。


「いまは合理性を追求する時代である」といえば、誰もがそのとおりだと思うでしょう。

そのとき注意すべきなのは、それは売り手にとって合理的なのか、買い手にとって合理的なのかをしっかり見きわめることです。

「そこまで求めるのは顧客のわがままだ」「そこまでは変えられない」「それは仕方ない」と考えたときから、顧客は離反していくと考えるべきでしょう。

『朝令暮改の発想』新潮社
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